憲法25条の“健康で文化的な最低限度の生活”とは?―令和の生活困窮と社会のセーフティネット
「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」 これは日本国憲法第25条の一文です。
戦後まもなく制定されたこの条文は、社会保障や福祉制度の根幹を支える理念として、今なお私たちの暮らしに深く関わっています。
1.“健康で文化的な最低限度の生活”とは?
「健康で文化的」とは、単に生きるための最低限ではなく、人として尊厳を保ちながら安心して生活できる水準を指します。衣食住だけでなく、医療、教育、社会とのつながりといった「文化的生活」を含む広い概念です。
そして、生活保護法の第一条には「国が生活に困窮するすべての国民に必要な保護を行い、最低限度の生活を保障する」と明記されています。
2.現代の暮らしにおける“最低限度”とは?
令和の時代に入り、物価高や家賃の上昇、非正規雇用の拡大などにより、生活が不安定化しています。
特に高齢単身世帯や障害のある方、病気で働けなくなった方にとって、「最低限度の生活」を自力で維持することが難しい状況が増えています。
かつて存在してた家族や親族、いわゆる「血縁」による支援や、地域住民ら「地縁」による支援も、都市部を中心に難しくなっているのが現状です。
3.制度の狭間にある課題
- 生活保護の相談をしても、スムーズに申請をさせてもらえない
- 家族への扶養照会への不安から申請をためらってしまう
- そもそも制度を使えることを知らないまま困窮する
こうした状況は、「制度があるのに使えない」人を生み出し、“健康で文化的な生活”という理念と現実のギャップを広げています。
4.いま求められているのは「つながる支援」
生活保護制度は国の制度ですが、行政機関だけではなく、地域包括支援センター、社会福祉協議会、NPO法人、行政書士等の士業といった、さまざまな機関が連携した支援が求められています。困窮の背景には、単なる所得の問題だけでなく、孤立、健康、障害、家族関係といった複合的な要因があるためです。
そのため、福祉専門職が連携して「制度の狭間」を埋める取り組みが全国で進められています。
5.私たちにできること――制度を“知る”ことから始めよう
「健康で文化的な生活」は、特別な人だけの権利ではありません。病気や失業、家族関係の変化など、誰もが生活に困る可能性があります。困ったときにどんな制度があるのか、どこに相談できるのかを知っておくことが、最初の一歩です。
- 生活保護の申請や扶養照会の手続きが不安なとき
- 年金や医療費、住宅のことで困っているとき
- 親の介護や高齢者の生活支援について知りたいとき
そのようなときは、行政窓口だけでなく、福祉に詳しい専門家(行政書士・社会福祉士など)に相談してみてください。制度の正しい理解が、自分や家族の暮らしを守る第一歩になります。

まとめ
「健康で文化的な最低限度の生活」は、憲法が保障する生きる権利です。そして、それを支える仕組みを整えるのは社会全体の責務でもあります。誰もが尊厳をもって暮らせる社会を実現するために、制度を正しく理解し、困ったときに声を上げられる環境づくりが欠かせません。
横浜ともしび行政書士事務所では、生活保護や福祉制度の利用についてのご相談を承っています。お気軽にお問い合わせください。


