介護保険って何?⑤~施設入所は「悪」か?
前回は自宅でサービスを使う際の注意点などをご紹介しました。今回は施設に入所する際の注意点などをご紹介いたします。
【お断り】このブログでは、介護保険のことを詳しく知らない方にも分かりやすいように、説明のしかたを工夫しています。一部簡略化して説明している箇所もありますので、ご了承ください。
「施設」に対するイメージを変えよう
自宅で介護をしているご家族から相談を受け、施設への入所を提案すると「でもお父さん(お母さん)がかわいそう」「親戚から何を言われるか」と難色を示されたり、二の足を踏んだりする方が少なくありません。
そして介護をされているご本人も「養老院(※注)には入りたくない」「他人と一緒に暮らすのは嫌」と拒否的な反応をされる方が多いです。
(※注)養老院とはかつて存在し、現在の特別養護老人ホーム、養護老人ホーム、軽費老人ホームのもととなった施設です。主に身寄りがなく経済的に困窮した方を対象としていました。
特にコロナ禍では長期にわたって面会や外出が制限されたことなどもあり、特にそうした意見が増えていました。
いまだに「施設入所=姥捨て山」のようなイメージを持つ方も少なくなく、なんとなく「施設に入る(入れる)ことは悪いこと」と思われている印象です。
ですが、もちろんそんなことはありません。私はこれまでの経験で「施設に入ったら自宅にいた時と見違えるように元気になった」「施設に入ったら家族との関係が良くなった」という事例をいくつも見てきました。
さらに言えば「施設入所=最期まで施設」とは限りません。一度入所しても自宅に戻ったり、施設と自宅を行き来したりと、様々な利用のしかたがあります。
近所の施設を見学してみませんか?
介護施設は直接介護に関わっていない方には縁がありません。介護が始まり、そろそろ施設入所か?となって、初めて関わるところです。そして人間誰でも知らないものには不安を覚えるものです。さらにいざ入所となると、現実的にはじっくり選んでいる時間がないケースも少なくありません。
先ほど紹介したイメージも、根本はこうしたところに要因があります。では、どうすればいいのか?
それには実際に体験してみるのが一番です。もちろんいきなり入所するのではなく、施設見学されることをお勧めします。見学で施設を疑似体験してみましょう。
ほとんどの施設では見学を受け入れています。まずは自宅から行きやすい施設を選んで見学を申し込みましょう。電話だけでなく、インターネットで申し込みができる施設も増えてきました。
自分がいつか入所するとしたら、親にいつか入所してもらうとしたら、そんな観点で見学してみましょう。その時に注意してもらいたいのが次のポイントです。
- 職員や利用者の表情はどんな感じか?
- 不快なにおいや音などがしないか?
- 生活スペースが落ち着いた雰囲気になっているか?
- 職員と利用者の会話に違和感がないか?
- こちらの質問にきちんと答えてくれるか?
施設見学に行くと、ついつい建物や設備が新しい(または古い)、見学に対応した職員(主に施設長や相談員)の態度などに目が行きがちです。もちろんそれも大切ですが、自分または親が実際に「生活する場」としてどうなのか?という視点を忘れないようにしてください。
実際に利用者に接する介護職員が生き生きと仕事をしているか、長期間生活する場として気になる点がないか、こちらの要望にどの程度応えてくれるのか、限られた見学時間で可能な限り確認してみてください。
専門の業者に相談してみるのもお勧め
「自分で施設を探して見学の申し込みをするのは大変」という場合には、専門の業者に相談するのも一つの方法です。インターネットで検索すると、老人ホームの紹介をする業者がたくさん出てきます。
ほとんどの業者は無料で施設を紹介して見学にも同行してくれます。効率よく複数の施設を見学するには、こうした業者を利用すると便利です。
しかし気を付けていただきたいのは、老人ホームの紹介ビジネスは紹介した利用者が入所した施設から「紹介料」等の名目で収入を得るシステムが大半ということです。
もちろんビジネスですので、収入を得ることは問題ではありません。しかし、少しでも得られる紹介料が高い施設を紹介したくなるのは、ある意味当然のことです。
「紹介料が高い=希望に合った施設」とは限りませんので、やはり最終的にはご自身でしっかりご判断されることをお勧めいたします。


