遺言の内容と異なる遺産分割協議はできる?できない?
亡くなったあとに大切な家族へ思いを伝えるための遺言。しかしその思いは、残された家族の思いと必ずしも一致するとは限りません。
よくあるのが、「『長男に全部相続する』という遺言だったが、長男にそのつもりがない」「遺言と異なる相続にした方が税法上の特例が使えてメリットが大きい」といったケースです。では、このような場合に遺言と異なる遺産分割協議を行うことは可能なのでしょうか?
結論から言うと、次の4つの条件を満たせば、遺言と異なる遺産分割協議をすることは可能です。
- 遺言で遺産分割協議を禁止していないこと
- 相続人全員が遺言の内容を承知し、合意した上で遺産分割協議をしていること
- 相続人以外に受遺者がいる場合は、その受遺者が同意していること
- 遺言執行者の指定がある場合は、その遺言執行者が同意していること
相続の基本ルールを定めている民法の条文(一部抜粋)を見てみましょう。
民法第907条 共同相続人は、次条第一項の規定により被相続人が遺言で禁じた場合(中略)をした場合を除き、いつでも、その協議で、遺産の全部又は一部の分割をすることができる。
民法第908条 被相続人は、遺言で、遺産の分割の方法を定め、若しくはこれを定めることを第三者に委託し、又は相続開始の時から五年を超えない期間を定めて、遺産の分割を禁ずることができる。
このようにいくつかのハードルはありますが、遺言の内容と異なる遺産分割協議を行うことは可能です。ただし、後々トラブルにならないよう、相続人全員の意思をしっかりと確認し、正確な遺産分割協議書を作成するなどの注意が必要です。
この場合は、やはり専門家に依頼するのが確実です。当事務所でもご相談・ご依頼を承りますので、お気軽にお問い合わせください。



