裁判所の資料からみる成年後見制度の動向

最高裁判所が令和8年3月に公表した「令和7年 成年後見関係事件の概況」という資料があります。

この資料から、最近の成年後見制度がどのように動いているのかを分かりやすく解説します。「後見制度が気になっているけど、実際どうなっているの?」という方は、ぜひ参考にしてください。


成年後見制度の利用状況

まず結論からお伝えすると、成年後見制度の利用は引き続き増加傾向にあります。

  • 申立件数:約43,000件(前年比+約3.2%)
  • 利用者数:約26万人(前年比+約2.3%)

年間で43,000件ということは、単純計算で365日で割ると1日あたり100件を超える申立てがあるということです。もちろん土日や祝日もありますので、実際には200件を超えているかもしれません。

つまり、成年後見は特別な制度ではなく、一般的な備えになりつつあると言えます。


① 軽度の段階からの利用が増えている(重要)

今回のデータで特に注目すべきなのが、次の点です。

  • 保佐:前年比+6.4%
  • 補助:前年比+9.1%

これは何を意味するのかというと、「判断能力がそれほど低下していない段階」での利用が増えているということです。

この変化の背景としては、

  • 認知症の早期発見
  • 介護・医療現場からの早期対応の提案
  • 家族のリスク意識の高まり

などが考えられます。これまでは、認知症や精神疾患が進行してから後見を利用するケースが多かったのですが、

今後はますます「まだ判断能力が残っているうちに備える」流れに変わっていきます。


② 親族ではなく専門職が後見人になるケースが増加

次に重要なのがこちらです。

  • 子どもや兄弟等による「親族後見」:約16.4%(減少)
  • 弁護士や社会福祉士などによる「専門職など」:約83.6%(増加)

つまり、後見人の約8割以上は親族ではないという状況です。

親族後見が減っている主な理由は以下の通りです。

  • 財産管理の負担が大きい
  • トラブル防止(使い込みなど)
  • 家族関係の複雑化

成年後見人が被後見人等の財産を着服するなど、不正事例の9割以上は親族後見だったというデータもあります。

「親族だから安心」とは言い切れない現実がここにあります。


③その他の注目ポイント(実務的に重要)

● 審理期間は一定期間必要

申立てから審理が終局するまでにかかる期間は、「1~2か月」と「2~3か月」を合わせて約50%となっています。

後見制度が必要だと思っても、すぐには決まらないため早めの相談が重要になります。


● 本人申立が最多

  • 約24.8%

申立人は本人が24.8%と最多になっています。「自分の将来は自分で決める」動きが増加しているといえます。

まとめ

成年後見制度は今、

  • 利用者が増え続けている
  • 早期利用が進んでいる
  • 親族以外の専門職などが就任している

今後もこうした方向に進む可能性が高いと考えられます。

横浜ともしび行政書士事務所では、

  • 成年後見の利用を検討している方
  • ご家族の将来が不安な方
  • 任意後見との違いを知りたい方

などに向けて、わかりやすく丁寧にご説明しています。「まだ早いかも」と思う段階でも大丈夫です。早めの相談が、将来の安心につながります。

当事務所はお問い合わせフォームや公式LINEでお気軽にご相談いただけます。初回相談は無料ですので、ぜひご利用ください。