通信機能を追加した福祉用具がレンタルの対象になる?

9月5日に開催される、厚生労働省の社会保障審議会介護給付費分科会において、「通信機能を備えた福祉用具の取り扱いについて」が検討されます。

この記事では、厚生労働省が発表した資料をもとに、どのような変化があるのか、どんな課題が想定されるのかを解説します。

現行の福祉用具貸与の対象

通信機能を備えた福祉用具で、貸与時に介護保険の給付対象となるものは「認知症老人徘徊感知機器」に限られています。

ただしこの通信機能も、機器を設置している屋内での通信に限られ、受信機を分離して屋外でも通信が可能になるような場合には、その受信機はオプション扱いで保険給付の対象外とされています。

しかし、利用者が単身であったり、家族が遠方に住んでいるケースも増えており、屋外での見守りや遠隔からの情報把握のニーズが高まっていました。

通信機能付き福祉用具が給付対象に!?

今回の分科会では、以下のような通信機能を持つ福祉用具を給付対象とする方向で検討が進められています。

  • 屋外でも通信ができる認知症老人徘徊感知機器
  • 位置情報を通知する機能を備えた車いす
  • 異常や故障を通知する機能を備えた特殊寝台
出典:厚生労働省ホームページ「第247回社会保障審議会介護給付費分科会資料」

これが実現すれば、独居の方でも離れて暮らす家族や福祉用具業者などに、適宜情報共有できるようになり、より安心して暮らすことができるようになりそうです。

給付対象外の機能も

ただし、以下のようなものは保険給付の対象外となります。

  • バイタルセンサー等による健康状態の通知
  • 通話やチャット、ナビゲーションなどの機能
  • 通信環境の整備費用やスマートフォン・タブレットの購入費用

これらの機能を利用したい場合は、自己負担での契約が必要になります。

今後の注意点と利用者への影響

この制度改正により、利用者や家族には以下のような準備が求められます。

  • 通信機能の有無や費用の違いを理解する
  • 位置情報等を事業者に通知する際には利用者の同意が求められる
  • 利用者の状態像や生活実態に即した機器の選択がより重要になる

情報提供や同意の取得が必要になるため、丁寧な説明と納得のうえでの利用が不可欠です。

まとめ

今後、ICT技術を活用した福祉用具が増えていけば、より安全で安心な在宅介護が実現していくでしょう。しかし、その導入には十分な理解と準備が必要です。支援者はもちろん、利用者も新しいしくみを正しく理解し、必要な人に必要なサービスが届くようにしていきたいですね。