障害福祉サービス運営講座「就労継続支援A型」編
障害がある方向けの就労系サービスは、①就労に向けた訓練や研修を行う「就労移行支援」と、②実際に仕事をしながら一般就労を目指す「就労継続支援」に大きく分けられます。今回は「就労継続支援A支援」についてご紹介します。
就労継続支援A型は、障害のある65歳未満の方と雇用契約を結んで生産活動の機会の提供、知識・能力の向上に必要な訓練を行うサービスです。一般就労が難しい方でも、サポートを受けながら働く経験を積むことができます。事業所は最低賃金以上の給与を支払う義務があり、労働者としての権利も守られます。
具体的なサービス内容
先ほども述べたように、就労継続支援A型では利用者と雇用契約を結びますので、就労に関する支援が中心となりますが、その他にも次のようなサービスが提供されています。
- 就労の支援(生産活動、実習先の確保など)
- 求職活動の支援
- 日常生活の支援
- 利用者、家族との相談対応
- 働く上でのビジネスマナーや生活習慣の支援
事業所開設に必要な設備と人員
必要な設備
- 訓練・作業室(面積等の要件あり)
- 相談室(プライバシーの確保が必要)
- 多目的室
- トイレ・洗面所
- 事務スペース
必要な人員配置
- 管理者:1名以上
- サービス管理責任者:1名以上(常勤)
- 職業指導員:利用者10名または7.5名に対して1名以上
- 生活支援員:同上
就労継続支援A型は雇用契約を結ぶ事業であるため、労務管理の知識や企業との連携力も重要になります。
モデルケースで見る経費
初期費用(例)
- 物件取得・改修費:300〜600万円
- 設備・備品:100〜300万円(作業に必要な機械、送迎車両など)
- 開設準備費用(申請・採用・広告など):50〜100万円
ランニングコスト(例:利用者10名、職員4名)
- 職員の人件費:約100〜150万円/月
- 利用者の人件費:約60~100万円/月
- 家賃:約10〜25万円/月
- 光熱費:約5〜10万円/月
- その他(材料費、送迎車、保険など):10〜20万円/月
- 合計:約200〜300万円/月
就労継続支援A型は、どのような事業を行うかによってコストは大きく変わります。ここで示したものはあくまでも一例です。
利用者はハローワーク等を通じて採用することができますので、他のサービスに比べると手間やコストはかかりません。一方で外部の請負で仕事をする場合など、先方からの入金前に利用者への賃金支払いが必要になることもあり、キャッシュフローには注意が必要です。
事業開始の前に
就労継続支援A型は、利用者にとって「給与を得ながら働く」貴重な場です。一方で、事業所にとっては労務管理・安定的な仕事の確保・収支バランスが大きな課題になります。
就労継続支援A型は、法令違反等の不適切な運営が散見されます。運営にあたっては「利用者の働く力を伸ばす」理念と、「持続可能な運営モデル」を両立することが成功のカギです。
横浜ともしび行政書士事務所では、就労継続支援A型の指定申請から運営支援、経営計画の相談まで幅広く対応しています。開設を検討される方はお気軽にご相談ください。



