法定後見申立ての診断書作成のポイント
成年後見制度には「後見」「保佐」「補助」の3類型があります。どの類型で申し立てるかは本人の判断能力によって決まりますが、そこで重要なのが医師の作成する診断書です。
なお、最終的には家庭裁判所がどの類型になるかを決定します。この記事では、初めての方でも迷わないように、法定後見の申立ての診断書作成のポイントをまとめました。
1. 3つの類型の違い
| 類型 | 本人の状態 | 与えらえる権限 |
| 後見 | 事理弁識能力を欠く常況(民法7条) | 後見人の包括的代理権・取消権(日常生活の行為を除く) |
| 保佐 | 事理弁識能力が著しく不十分(民法11条) | 重要行為に保佐人の同意が必要(民法13条) 必要に応じ特定の代理権を付与(家裁審判) |
| 補助 | 事理弁識能力が不十分(民法12条) | 特定の行為について同意権・代理権を付与(家裁審判・本人の同意が必要) |
2. まずは「困りごと」を具体化しよう
- 困っている場面を書き出す:通帳管理/契約・解約/不動産の処分/施設入退所の契約 等
- どの程度の支援が必要かを考える:
- 広く代理・取消が必要 → 後見が候補
- 重要行為のみ同意・一部代理で足りる → 保佐
- 特定行為に限った支援で足りる → 補助(本人同意が前提)
3. 医師に相談しよう
Q.どの診療科の医師に相談すべき?
A.診療科の指定はありませんが、法定後見申立て用の診断書は「精神の状況・判断能力」の評価が軸になります。ですので、まずは本人の状態を一番理解しているかかりつけ医に相談してみましょう。
Q.かかりつけが整形外科なんだけど?
A.ひとつ前の問いにあるように、「精神の状況・判断能力」の評価ができるのであれば整形外科の医師でも問題ありません。一方でHDS-RやMMSEなどの認知機能検査を実施していない場合など、「精神の状況・判断能力」の評価が難しい場合は、精神科等の専門科を紹介してもらう方が望ましいでしょう。
Q.医師と家族で類型の見立てが異なる場合は?
A.ご本人が家族の前で見せる姿と、お医者さんの前で見せる姿が違うことはよくある話です。受診の際に家族が同席して、日頃の様子や困っていることなどを、医師に伝えるのもよいでしょう。ただし、ご本人の前で認知機能の低下により失敗したエピソードなどを話すことは、ご本人の尊厳を傷つけてしまうおそれもありますので、配慮が必要です。
4. 診断書を依頼するタイミング
法定後見の申立てには、診断書以外にも申立書、本人の戸籍謄本、登記されていないことの証明書、財産目録など、たくさんの書類が必要です。これらを揃えるには、専門家に依頼しても1か月以上必要な場合も珍しくありません。
診断書が出来上がったのに、そのほかの書類を揃えるのに何か月もかかってしまった場合には、診断書の内容とご本人の状態に相違が生じる場合もありますし、家庭裁判所から診断書の再作成を依頼される場合もあります。
また、診断書の作成自体も、依頼する病院や医師によって作成に必要な期間は様々です。そのため、まずは診断書作成を依頼する医師に、依頼から作成までにどのくらいの期間が必要か確認してみましょう。
そのうえで他の書類を揃えるのに必要な期間を確認し、書類が揃う期間が大きくずれないタイミングで、診断書の作成を依頼するのが良いでしょう。
5. 難しい場合は専門家に相談を
経験のない方が、以上のようなポイントを押さえながら診断書を依頼するのは意外と難しいでしょう。また、そもそもかかりつけ医がいない、どのように手続きを進めればいいのか分からない、ということも少なくありません。
横浜ともしび行政書士事務所では、成年後見制度に詳しい行政書士・社会福祉士がご相談に対応いたします。提携している弁護士、司法書士と協力して、法定後見の申立てサポートも行っております。
成年後見のことで分からないことがありましたら、ぜひご相談ください。あなたの悩みに寄り添い、解決のお手伝いをいたします。
初回相談は無料ですのが、お気軽に電話、お問い合わせフォーム、LINEにてお問い合わせください。


