どんな制度?「相続土地国庫帰属制度」

 令和5年から始まった相続土地国庫帰属制度。この制度は相続や遺贈で土地を取得したものの、「遠方に住んでおり使う予定がない」「管理する費用を負担するのが難しい」といった理由で手放したい場合に、国が引き取ってくれる制度です。

 今回はこの制度の概要をお伝えするとともに、申請が却下されたり不承認になるのはどのような場合なのか、この制度がどのくらい利用されているのかをご紹介します。

誰が使えるの?

相続または遺贈で土地を取得した相続人
 共同所有の場合でも対象になりますが、その場合は共有者全員での申請が必要です。なお、土地を購入した場合や、生前贈与を受けた場合などは対象となりません。

どんな土地が対象になるの?

宅地や田畑、森林等
 次のような土地は対象にならず、申請の段階で却下となります。

  • 建物がある
  • 借地権などが設定されている
  • 境界が明らかでない
  • 有害物質で汚染されている など

どんな手続きが必要なの?

  1. 法務局への相談
  2. 申請書類の作成・提出
  3. 承認後の負担金の納付

②の「申請書類の作成・提出」を業務として代行できるのは行政書士、弁護士、司法書士に限られています。その他の者が行うことはできませんのでご注意ください。

費用はどのくらいかかるの?

審査手数料:14,000円(申請時に納付)
負担金:原則200,000円(承認後に納付)
※どちらも1筆の土地あたり

どのくらい利用されているの?

  • 申請件数:3,854件
  • 帰属件数:1,699件
  • 却下件数:58件
  • 不承認件数:55件
  • 取下げ件数:628件

※いずれも令和7年5月末時点
出典:法務省ホームページ「相続土地国庫帰属制度の統計」より

まとめ

 土地を相続したものの利用価値が高くなかったり、活用が困難であったりすると、管理の費用ばかりがかさんでしまうことも珍しくありません。

 かといってしっかりと管理せずに放置していると、思わぬ問題が生じてしまうリスクもあります。売却も難しく管理もお手上げというような場合には、相続土地国庫帰属制度の活用を検討されることをお勧めします。

 具体的なご相談は当事務所でもお受けしておりますので、ご不明点等ありましたらお気軽にお問い合わせください。あなたの将来を見据えた安心の選択を、丁寧にサポートします。