子どもがいない夫婦の「老後の不安」
地域包括支援センターや相談支援の現場では、「子どもがいないご夫婦」からの相談は年々増えています。今回はある70代のご夫婦のケースをご紹介します。
- 大きな持病はなく、現在は自立した生活ができている
- ただし体力の衰えを感じ始め、「この先」が気になってきた
- 子どもはいないため、将来を任せられる存在が明確でない
いわゆる「終活を意識し始めたが、何をすればいいか分からない」段階でした。

判断能力低下への不安
高齢期のライフプランニングで気になることの第一位は、「判断能力が低下した後の生活・財産・契約をどう支えるか」です。
子どもがいない高齢夫婦の場合、
- 認知症発症後の財産管理
- 介護サービスや施設入所契約
- 入院時や緊急時の手続き
を担う人がいない、または不明確なケースが少なくありません。
このご夫婦も「どちらかが認知症になったら、もう一人だけで全部できるだろうか」という不安を抱えておられました。
予防的支援の選択肢
そこでご提案したのが任意後見契約です。
任意後見契約とは、判断能力があるうちに、将来の支援者(後見人)と内容を決めておく制度です。
任意後見契約で定めることが多い内容には、
- 預貯金や年金の管理
- 介護保険サービスや施設入所の契約
- 医療・福祉に関する事務手続き
などがあります。
先ほども説明した通り、「本人の意思が明確なうちに制度につなげられる」という点が、任意後見の最大のメリットです。
なお、任意後見契約は必ず公正証書で作成する必要があり、行政書士が契約内容の整理や公証役場との調整を担います。
配偶者を守るための遺言
もう一つ重要なのが公正証書遺言です。子どもがいない夫婦の場合、
- 配偶者
- 兄弟姉妹(または甥・姪)
が法定相続人となります。
「配偶者にすべての財産を残したい」という意思があっても、遺言がなければ相続手続きが複雑化する可能性があります。
このご夫婦も、「残された方が、手続きで苦労するのは避けたい」という思いを持っておられました。
公正証書遺言であれば、
- 配偶者へすべての財産を相続させる
- 相続手続きを簡素化する
- 遺言が無効になるリスクを低減する
が可能となり、将来の紛争予防につながります。
「元気な今」こそ準備を
ご相談の最後、ご夫婦はこう話されました。
「もっと先の話だと思っていましたが、元気なうちに考えておくことで、安心できました」
終活やライフプランニングは、生活に支障が出てからでは間に合いません。予防的に行うものです。
福祉と法務をつなぐ相談先
横浜ともしび行政書士事務所では、
- 福祉現場でのケースワーク経験
- 成年後見・任意後見制度への実務的理解
- 高齢者本人の思いを丁寧にくみ取る支援
を強みとして、ライフプランニング支援を行っています。
- 地域包括支援センターなどからの制度のご相談
- 本人・夫婦からの直接のご相談
- 「今すぐ契約ではないが話を聞きたい」段階
いずれのケースでも対応可能です。
頼れる身寄りがいなくても、安心して地域で暮らし続けるために。制度と生活をつなぐ相談先として、お気軽にご相談ください。


